若者の痛い所を突く「確かに」

若者のあるあるや自分の体験談をある意味で真正面から、とてつもなく爆発的に盛って書いていくブログ。途中から作者自身も何を書いているのかわからなくなる。頭を空っぽにすると辛うじて内容が理解できます。

スケートが上手く滑れる人は白原に舞い踊る白鳥のような存在という気がしなくもない

友達と3人で初めてスケートをしに行った。

 

 

今から考えると男三人でスケートをしに行くという行為が、大分非リア充臭をまき散らしていることは間違いなかった。しかし僕の場合は初めてのスケート、未知のスケートたる行為に対して並々ならない「楽しみ」という思いを募らせており、そんなことには露ほどにも気づかなかったのである。

 

 

しかも小学生などという可愛らしいものでもない、立派な大学生である。むさい3人組である。ちなみに内訳を書くと、マッチョな男と、チビな男と、チビな男である。それ以外に書くことは特にない。

 

 

そしていざ入場。入場料1800円、靴が500円という意外と高い値段に驚きつつ僕らはスケート場に君臨した。

 

 

 

とりあえず寒かった。スケート場寒かった。いやある意味当たり前ではあるのだが、外の気温が暑く汗をかいていたため中に入って涼めれば良いなと思っていたぐらいだったのだが、予想以上だった。

 

 

自分の体に、特に頭部にへばりついていた汗が一瞬にして消滅していく。その速度たるや尋常なものではない。スッと消えた。いきなりなくなった。まとわりつく不純物は、僕らがスケート場に足を踏み入れた瞬間に忽然として姿を消したのだ。

 

 

 

僕らはスッキリした気分になるも、少し先の未来における腹痛たる現象に恐れを抱き職員に靴を借りて履いていく。そしてエッジの部分は幅1㎝くらいしかない事を初めて知りつつ僕は靴を履いて立ち上がった。

 

 

 

 

まあ。まあまあといった感じだ。大体履き心地は予想通りであった。地面に接している部分がエッジしかないのでかなり歩きにくいが、せいぜい足をひねりそうぐらいにしか思わない。

 

 

 

というわけで、足首のストレッチをしていざオンザステージ。

 

 

 

 

一歩目を踏み出した。

 

ス~~~~~~~~、ガクッ。

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

あ、やば。無理かも。

 

 

僕は気づいた。一瞬で。スケート場に足を踏み入れたわずか3秒後に、その事実を認識してしまった。

 

 

 

スケートくそムズイ。

 

 

全然滑れない、ダメだ。外縁の手すりにしがみついていないと立っていることすらも危うい。足に力が入りすぎてもうすぐ爆発する。あやばい。

 

 

 

 

危ない。なんとか爆発だけは防げるように繊細に、ゆっくりと進む。その速度たるやまさに亀の歩みである。

 

 

一輪車を練習する幼稚園生のようにヨタヨタと滑る。

 

 

片足を浮かして白鳥のように滑る僕の麗しき妄想は、どうやら実現できそうにはなかった。ていうか両手すら離せない。

 

 

 

スケート場を一周しても全然慣れない。全然滑れない。しかもできないのは僕だけではない、僕を含めた3人ともがロクに滑れていなかった。生まれたての小鹿のような中腰態勢の大学生3人が団子3兄弟のように連なってスケート場の一番外側を無様に滑っている。

 

 

客観的に見ればそういう事だ。

 

 

 

スケート場は台風のようなものだと思った。僕らのようなまともに滑る事もできない初心者は、外側でスケートに振り回されるしかない哀れな存在であるが、真の実力者、経験者は中心でひたすらに回り続けていたり、高難易度と思われる人外しかできないような技をひたすらに練習している。

 

 

そんな状況。まさに台風。

 

 

今まではテレビで見ていただけだったので凄さを理解していなかったが、実際にやってみてから改めて見るととんでもなさが分かるかもしれない。

 

 

 

 

そもそもやる前の僕は普通に前に滑るくらいできると思っていた。だが実際には全く出来なかった。何事もやってみないと分からないのだ。

 

 

 

まさかここまで難しいとは、、、。

 

 

そう思った。

 

 

 

だから練習した。努力をしたのだ。このままでは楽しくない。嫌な思い出として記憶に残ってしまう。それはマズイ。どうせなら少しくらい成長してからこの場を後にしてやろうではないか。

 

 

 

そこから2時間程僕は滑り続けた。滑りに滑った。限られし白原の地を。人々の動きによって止まることなど許されない、渦巻き続けるこの場所で、生まれたてのアヒルのようにただひたすらに、がむしゃらに、誰に教わることもなく滑り続けたのだ。

 

 

 

その結果僕はアヒルから白鳥になった。あの、白鳥。美しく、綺麗で、厳かで、勇ましく、華があり、見るもの全てを引き寄せる魅力をもってただ君臨している伝説の幻獣

、白鳥に。

 

 

この世のあらゆる滑り方、回り方や技等、おおよそ白鳥が再現できる動き全てを僕は使いこなすことができる。

 

 

2時間で、僕はその力を手に入れることができた。どうやら僕には隠された才能があったらしい。

 

 

 

白鳥ができる動き、白鳥が持つ性質、白鳥という存在から連想されるあらゆる行動を、僕は短時間で再現することができるのだ。僕の挑戦によって新たな才能を発掘することに成功したのだ!。

 

 

これだ!。これさえあれば何でもできる。スケート如き何でもない、ただの児戯ではないか!。なにをそんなに苦労をしていたのか。努力など必要ない。才能の前ではすべてはひれ伏すのだぁ!。僕はそのための力を手に入れた!。さあ、見せてやろうではないか。もはやただの群衆と化したスケート上に存在する全ての人間に力を、絶対の才能を!。白原をフィールドとしている時点でもう遅い。さあ!刮目して見よ!これが、、、、、、俺だああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

ス~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~、あっ、やbぎゃふ!!!

 

 

 

……………………………。

 

 

 

そうだった。

 

 

白鳥、

 

 

氷滑れなかった、、、、、。