若者の痛い所を突く「確かに」

若者のあるあるや自分の体験談をある意味で真正面から、とてつもなく爆発的に盛って書いていくブログ。途中から作者自身も何を書いているのかわからなくなる。頭を空っぽにすると辛うじて内容が理解できます。

髪は大事にされるけど抜けたら嫌われる点について考えてみた。

 髪は大事である。

女性にとって髪は命、なんて言葉もあるくらいに。

命と等価なのだ、男性はともかく女性にとっては。

 

 

毎日毎日朝早くから髪を30分一時間と懇切丁寧誠心誠意真心こめて手入れして外の世界に風と共に羽ばたかせていく。

そんな子供の世話をする親並みの本気度を持って髪は世の女性から大事にされている。

 

うらやましい。

 

 

余りにも羨ましい。

 

 

僕も髪と化して大事にされたい世話されたい。

 

 

恋人という概念生物の存在を無視してそんなことをのたまってしまう位には、髪などという無機物無生物にジェラシーを感じてしまっていた 。

 

 

嫉妬である。

 

 

 

しかし僕は同時に臆病者でもあったのだ。ビビりだ。どうしようもない。怖いが故に考えてしまったのである。

 

 

 

裏切られる可能性。大事にされなくなる瞬間を、考えてしまったのだ。

 

 

そうなってしまってからの僕はひどかった。

常に世の女性に対して疑いの目でかかって見ざるを得ない程の疑心暗鬼。恋人ができた時に訪れるであろうリスク。それらからくる圧倒的恐怖心。

常に頭を抱えて体を震わせる日々を送る中で、とうとう決定的な瞬間を僕は見てしまった。

 

 

恐怖の頂点を。

 

 

目の当たりにしてしまっていた。

行きついてしまったのだ。

決定的瞬間に。

 

 

 

その嫌われた対象は何も人ではなかった。

状況だってだれでも経験したことのあるごく普通の日常での出来事である。

 

 

 

 

事の始まりは僕が友人の男女何人かで昼食を食べている時だ。男3人女2人であったのだが、その女の一人がパスタを食べていたのである。

 

 

そのパスタ女が問題だったのだ。裏切りのパスタ女である。

 

 

 

パスタというのはその性質上若干前傾姿勢かつ顔をおろして食べるであろう。そうでない人もいるだろうが、少なくともそのパスタ女はそうやって食べていた。

 

 

 

そうすると女性は髪が長いが故に食べ物の周囲に髪を下してしまう。そうならないように大半の女性は髪を耳にかけたり後ろで縛ったりするだろう。パスタ女もそうしていた。だが最初は違ったのだ。最初は普通に髪をそのままにした状態で食べていた。僕ら周囲の人間も、パスタ女自身にもその行為自体には何ら疑問を持たなかったであろう。

問題はその後だ。

 

 

突然パスタ女が口を開いた。

 


「あ、やば。髪がパスタに落ちた。汚っ!」

 

 

 

 

 

汚い。とは。


どういうことだ。


一体どういうことなのだ。


一体全体どういうことなのだ。

 


髪がパスタに落ちた。汚っ

 

 

 

何かまずいのか。


パスタが汚いのか。


髪が汚いのか。

 

 


自分がとても大事にしている髪とお店が出して今しがたまで自分が食べていたパスタ。
この二つの概念のどこに汚い所があるというのか。

 

 

 

急にパスタが銀魂のお妙の作り出したダークマターと化したのか。

 


それとも自分の髪に貞子が取り付いて不吉極まりない長髪に代わってしまったのか。

 

 


だとしたら一大事だ。早急に店の店長に同じものをもう一度作ってもらうよう注文してもらうか、除霊士に髪だけの除霊を行ってもらい、貞子を追い払ってもらう必要があるだろう。

 

 


僕は注文と除霊の依頼をした方がいいとパスタ女に助言をしようと口を開こうとした。
が、どうやら問題はそういう事ではないらしかった。

 


もっと簡単な事態のようだった。

 


髪の毛一本がパスタに絡まってしまってそれが汚いという事らしかった。

 

 

僕は自分の常識を疑ってしまった。
まさか髪が一本自分の体から離れただけで汚いとでもいうのだろうか。
そんな非道なことがあるはずが、、、と僕は思った。

 


そういうことのようだった。

 

 

 

なんと。
なんと冷酷非道な女なのだろうか。ひどすぎる。ほんの一瞬前まで己の体の一部として手入れをしてきた、そんな思い出あふれる髪の毛に対してそんな言い方をするなんて。
きっと普段はいじめっ子として暴虐の限りを振るっているに違いない。

 

 


僕は一緒に食事をしているこの状況に憤りを感じ、速効でその血も涙も髪もないパスタ女と縁を切ろうとした。
しかしそこで僕はさらなる混乱に陥ることになる。

 

 


なんと周りの友達も同調し始めたのだ。

 

 

「うわ、めっちゃ絡まってんじゃん。もう食べたら病気になるんじゃん」

 


「菌とかついちゃってるかもな」

 


こいつらには人の心がないのか。まるで菌が悪いものであるかの言いよう。内緒にされているだけで仕事では面と向かって言えないことをしているのか。普段人を殺して生きてるんじゃないかといわんばかりの無情の言葉の数々に僕は恐れおののいた。

 

 

恐慌状態に陥った僕は場の空気を乱さぬために、口ではなく心の中で抜けたパスタ女の髪に冥福をお祈りした。

 


アーメン。

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、僕の圧倒的かつ大胆不敵、繊細緻密な調査によりなんとこの世の人類は集団から外れたものは排斥していく、という結果を得ることができた。

 

 

 

・髪は大事にされるが抜け毛は嫌われる。
・爪にはネイルなどデコレーションされたり髪同様に手入れされるが不要な部分は切除されゴミ箱行き。
・服も使いこんだものは捨てるか古着屋に売却。

 

 

 

排斥である。今この時代は排斥の時代なのだ。
増えすぎたものは切り捨てられ、外れたものは嫌われる。
一体いつからこのような残酷な世界になってしまったのか。
この事実に気づいた瞬間僕は背筋を凍らせた。

 

 

 

さらにこれらの事実は物だけではない、人間関係にも言われるのだ。

 

学校ではグループがあってもいじめっ子が存在し迫害され、

会社では役立たずだと上司が判断すればいつの間にか排斥され、

社会に適応できなかったものはホームレスとなりロクに金も稼げない。

 

 

 

もちろんこれらの状況に陥ってしまったものを救済するシステムも存在するが、一度はそういった状況になってしまうという事である。

 

 

恐ろしい、世界となったものだ。

 


それとも人類とは元々こうすることでしか生きていけないのか。

信じるか信じないかは、あなた次第。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

髪の話をしてただけなのに話が壮大になりすぎちゃった。
つまり僕が言いたいのは一つ。
ハブりは良くない、皆仲良くしよ。